シンバルと私

ラムセットの練習を始めたのは高校からで、当時輸入されていたシンバルはジルジャンとパイステしか無かった様に思います。というより、部室にあった物を使っていただけで、殆ど興味は無く、ましてや自費で買うなど夢にも思ってませんでした。大学の入学式が終わると同時に軽音楽部の部室に直行し、その時初めて生のJAZZを目の当たりにした私は、すっかり魅せられて深くハマっていくのでした。

ックと違い、ジャズではライドシンバルはドラムサウンドの要であり、レガートを刻む重要な楽器です。それゆえに拘るドラマーも多く、プロが良く使う「オールドK」のライドは何十万もしちゃいますね。もちろんそんなのは買えませんし、買う気もありません。大学生の頃はお金も無かったし、興味も無かったので、楽器屋で適当に選んだものをずっと使ってました(コンボもビッグバンドも同じシンバルでした)。ちなみに、Aジルの20゛HEAVY RIDE・18゛MEDIUM THIN CRASH2枚・14゛NEWBEAT HIHAT・20゛SWISHで、卒業するまで不変のセットでした。今でも時々使いますが、これらもビンテージの仲間入りです。 パイステ(フォーミュラ602)は当時ジルジャンより高価で、しかも割れやすいという事もあって手が出ませんでした。音もクリア過ぎて私の好みではありませんでしたが、裏面のロゴマークがカッコ良かったですね。当時のジルジャンには刻印だけでロゴマークはプリントされてませんでした。

の場合シンバルの好みは周期的に変化し、ジルジャンからイスタンブールに、そしてこの一年はセビアンがマイブームです。ジルジャンの魅力はその豊かな倍音にあり、分家であるセビアンは整理された現代的なサウンドです。イスタンブールはその不規則な倍音とオリエンタルな響きがお気に入りです。コンボ用にはKジル・コンスタンチノープルのセットがありますが、最近出番が無く可愛そうです。周期的な変化とは別に、その日の気分や曲によって選ぶ事も多く、各メーカーごちゃ混ぜで使っています。気分転換のような行為とご理解ください。 シンバルにはあまり拘ってないつもりでしたが、改めて数えると、ライド9枚、クラッシュ8枚、ハイハット6組、エフェクト7枚、計30枚もありました。この枚数で「拘ってない」とは言いにくいな…。

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